割増賃金と割増率

1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて働いた分の賃金には割増が加算されます。

8時間を超えたら25%割増しとなるのはよく知られていますが、割増の合算方法などについては労使ともにあまり理解されていないことが多いようです。

【時間外労働と割増率】

  • 法定労働時間の8時間を超えたとき:25以上
  • 22時から翌朝5時まで働かせたとき:25以上
  • 週1回の法定休日に働かせたとき:35以上
  • 時間外労働が月60時間を超えたとき:50以上(中小企業は2023年4月1日から)

たとえば、就業時間が9時から18時(休憩1時間)の会社で深夜0時まで働いた場合の割増率は、

18時から22時までは25以上、
22時から0時までは25+25=50以上

となります。割増の上に割増がトッピングされるわけですね。

ところで「グローバル スタンダード」と言われて久しい現在、海外の割増率はどうなっているか、気になりますよね? 

ハイ、ご覧ください!

  • アメリカ:50
  • イギリス:50
  • フランス:週8時間までは25、それ以降は50
  • ドイツ:1日の最初の2時間は25、それ以降は50
  • 韓国:50%

他国の時間外手当は50割増が「グローバル スタンダード」なのに、日本だけは月60時間を超えなければ50割増になりません。

さらにヨーロッパの国々では残業そのものが「あり得ない」か、あっても1日30~40分と短時間に留まっています。

アメリカには時間外労働の上限規制がありませんが、週40時間を超えた分は一律50割増とすることで過剰な時間外労働を抑制しています。

こうして海外と比較すると、日本の企業がいかに労働者を安く使い倒そうとしているのか、よくわかりますね。

自分たちに都合のいいところだけ「グローバル スタンダード」と言い、都合の悪いところは「ジャパニーズ スタンダード」です。

日本の経済界には二枚舌野郎がはびこっていますね。

そう言えば、子どものころに母親はよく「なんでみんなと同じようにできないの!」と言いながら、都合の悪いときは「よそはよそ、うちはうち」と言ってました。

私たちは子どものころから矛盾を受け入れるように洗脳されていたのかもしれませんね。