第6章 労働問題の様々な解決方法

第4章と第5章では私たち労働者が身を守るために必要な最低限の法律を紹介しましたが、できれば一冊くらいは労働法の入門書を購入して一読されることをオススメします。

それでも、いくらマジメに働いていても急に給料を下げられたり解雇されたり、会社はいつどんな理不尽な仕打ちをしてくるかわかりません。

この第6章では、そうした問題が起きてしまったときに利用できる窓口や制度をいくつか紹介します。

私が未払い賃金を巡って会社と争っていたころに比べると、今は労働問題を解決するための制度や窓口が充実しています。

しかし、平穏無事に働いているうちはそうした制度を知る必要もないため、多くの人はいざトラブルに見舞われると途方に暮れてしまいます。

そうなる前に、こういう制度もあるんだなと頭の片隅にでも入れておけば、いざという事態になっても相談できる場所や解決方法はあるとわかるので、落ち着いて問題に対処することができます。

この章では労働問題の解決に役立つ制度や窓口のなかでも、これだけは知っていただきたいものをピックアップして紹介します。

第6章 労働問題の解決方法

法テラスは国立の総合法律案内所

どこに相談していいのかわからない、弁護士費用がなくて争えない。 法律に関するそんな不便さを解消するため、国によって設けられた法律の総合案内所が「法テラス」です。 法テラスは民事・刑事を問わず法律的なトラブル全般を扱い、解決のための情報提供や...
第6章 労働問題の解決方法

労働基準監督署へ行くときの注意点

会社とのあいだにトラブルが発生した場合、まず思いつくのは労働基準監督署(以下、労基署)に行くことですね。しかし、労基署へ行けばどうにかしてくれるだろうと思うのは甘い考えです。 労基署の職員は一人で膨大な案件を抱えているため、すべての問題に関...
第6章 労働問題の解決方法

内容証明郵便で未払い賃金の消滅時効を止める

消滅時効は合法的な賃金の踏み倒し 第4章の「未払い賃金は請求しないとなくなる」でも述べたとおり、一定期間が過ぎると消滅時効が成立して会社には未払い賃金を支払う義務がなくなります。つまり、合法的に踏み倒せることになります。 【賃金の消滅時効ま...