会社都合で退職したのに自己都合として扱われたときの対処方法

転職など「自己都合」で退職した場合、ハローワークでは「一般受給資格者」として扱われ、雇用保険が支給されるまでに短くて7日間+2か月も待たされることになります。

会社の業績悪化による人員整理や自分自身の成績不良などによって退職させられた場合は「会社都合」による退職となり、ハローワークでは「特定受給資格者」として扱われます。

特定受給資格者は雇用保険が7日間の待期期間のあとすぐに受け取れたり、年齢や雇用保険の加入期間によって受給日数が一般受給資格者よりも優遇されています。

しかし会社都合で退職したのに、離職票を見ると自己都合とされていることがあります。ここでは、なぜ会社が自己都合扱いにするのか、自己都合扱いにされた場合の対処方法を紹介します。

会社が「自己都合」退職にする理由

解雇や退職勧奨などで辞めたのに、送られてきた離職票は「自己都合」とされていた。こんな場合に考えられる理由としては、まず助成金(補助金)があります。

国は企業に対して様々な助成金制度を設けていますが、助成金には支給条件があります。とくに雇用に関する支給には、一定の期間内に会社都合による退職者がいないという条件が課せられていることが多くあります。

そうした助成金を受けている企業は会社都合で辞めさせると国からの助成金がもらえなくなるので、勝手に自己都合扱いとしてハローワークに届けてしまうことがあります。

またこれとは別に、退職時に会社とトラブルがあった場合は退職した従業員への嫌がらせとして自己都合や懲戒解雇とすることもあります。

懲戒解雇は「解雇」といってもハローワークでは自己都合として扱われるため、雇用保険の受給までに最短でも7日間+2か月かかってしまうことになります。

離職票を自己都合にされた場合の対処法

退職した会社から離職票(雇用保険被保険者離職票ー2)が送られてきたら、すぐに右ページを確認してください。

「雇用保険被保険者離職票ー2」の右ページ

もし会社都合なのに自己都合とされていたときは、「事業主が〇を付けた離職理由に異議」のあとの「有り」を囲み、ハローワークの窓口に提出するときに事情を説明します。

気をつけたいのは、自己都合退職と思われる場合でも、じつは会社都合となる場合があることです。

入社してみたら労働条件がかなり違った、給料が大幅に減った、給料の支給が何度も遅れた、残業が過剰に多すぎるなどの理由で退職した場合は、自分の判断で辞めたとしても会社都合となることがあります。

ハローワークは退職理由が自己都合か会社都合かを公平な立場で判断します。そのためハローワークに会社都合だと認めさせるには証拠が必要となります。

労働条件が違っていれば雇用契約書、給料の減額や遅配があれば給与明細や振込口座の通帳、残業が過剰なときも給与明細やタイムカードなどの勤怠記録などがあればハローワークに会社都合と認めさせやすくなります。