いよいよ第1回口頭弁論の開始!

【主な登場人物】※すべて仮名 年齢は2002年時点

滝(38歳)
このブログの著者。
長い無職生活のすえに零細ブラック企業マルビに入社するが、砂川社長との確執のため、わずか3か月で解雇される。

砂川社長(38歳)
事務機器会社を退職したあと、奥さんの親に資金を出してもらい有限会社マルビを設立。また「経営の多角化」と称して愛人と居酒屋も営んでいた。

簡易裁判所の裁判官

砂川社長、裁判にまで遅刻!

2002年11月27日。

いよいよ待ちに待……ってはいませんが、1回目の口頭弁論(裁判)を迎えました。

最初に裁判所へ行ったのが9月25日ですから、裁判が始まるまでに2カ月も経っています。書記官にゴリ押しされた支払督促のせいで、すっかりムダな日数がかかってしまいました。

裁判の開始時刻は午前10時。自宅から裁判所まではクルマで10分足らずですが、こういうときは時間に余裕をもって臨むほうがいいでしょう。

9時半には裁判所に到着し、すっかり雪が降り積もった駐車場の一画にクルマを停めます。

思えば、春に入社し夏には解雇。秋は労基署、冬は裁判所と、四季折々のイベントを満喫した1年でした。

簡易裁判所に入って受付左にある階段を2階に上がると、すぐに指定された6号法廷が見つかりました。

ドアを開けて中に入ると、そこはドラマや映画で見たことのある空間そのもの。

 

 

上座の一段高くなったところが裁判官席。その前は書記官席。そこから見て右側が原告席で左側が被告席。

中央の少し後ろに証言台があり、法廷のうしろが傍聴席です(刑事裁判の法廷はレイアウトが少し違います)。

まだ誰もいない法廷は、重厚感のある静けさとおごそかな雰囲気に満ちています。

原告席に1人で座っていると、これから何回くらい裁判をするんだろう、春までにはケリがつくかな、去年の今ごろはまだ無職だったなと、いろんな思いが頭の中を駆け巡ります。

と同時に「なんで俺がこんなめに遭わなきゃならねーんだよ!」という怒りも湧き上がってきます。

そうこうしているうちに時間となり、前のドアから裁判官とゴリ押し書記官、そして法廷内の雑務を担う廷吏ていりの女性が入廷しました。

全員が席に着き、いよいよ裁判開始です!

あれ? なんか足りません。

被告の砂川社長が来てません。

民事訴訟の1回目は被告の都合を無視して期日が決められるので、被告は答弁書を出せば1回目の裁判を欠席できます。

それで社長は来ないのかと思いましたが、裁判官たちは黙って座ったままです。

数分後、先ほど裁判官たちが入ってきたドアが開き、砂川社長が中をキョロキョロ見回しています。

裁判官は「被告の方ですか?」と確認すると「後ろのドアから入りなさい!」と若干キレ気味に言いつけます。

メタボな体をのっそり揺らしながら被告席に座る社長。

こいつには面接のときも待たされましたが、まさか自分が訴えられた裁判にまで遅刻するとは思いませんでした。日時計でも使っているんでしょうか?

ともあれ、ようやく裁判の始まりです。