【主な登場人物】※すべて仮名 年齢は2002年時点
滝（38歳）
このブログの著者。
長い無職生活のすえに零細ブラック企業マルビに入社するが、砂川社長との確執のため、わずか3か月で解雇される。
砂川社長（38歳）
事務機器会社を退職したあと、奥さんの親に資金を出してもらい有限会社マルビを設立。また「経営の多角化」と称して愛人と居酒屋も営んでいた。
簡易裁判所の裁判官
おなか痛いから裁判休みます
2002年12月11日。
今日は午前11時から第2回目の口頭弁論です。
法廷に入ると、まだ前の裁判が行われていたので、傍聴席に座ってはじめて他人の裁判を見ます。
当事者として法廷にいるのと、傍聴人としているのでは、裁判の見え方はずいぶんと違います。
この裁判は原告・被告双方に弁護士がついており、素人目にはずいぶん淡々と進行しているように見えました。ま、ドラマのような熱血弁護士が活躍する裁判なんて滅多にないでしょうね。
皆さんも、ぜひ機会を作って裁判を傍聴してください。自分が訴訟するときの参考になりますし、夏休みの自由研究にもオススメです。
さて、前の裁判が終わって休憩をはさんだのち、私たちの裁判の時間となりました。少し早めに原告席に着き、書類や筆記具を出して用意します。
しかし、定刻になっても砂川社長はあらわれません。まあ、奴が遅れてくるのはいつものことです。間もなく来るでしょう。
と思っていたら、前のドアから裁判官が一人でフラッと入ってきました。そして「先ほど被告の砂川さんより電話がありました。急に腹痛がして、今日は来られないそうです」と言います。
なんと社長、裁判バックレです！
しかも、「おなか痛い」という小学生並みの言い訳です。
これには裁判官も不機嫌そうに「本当かどうかわかりませんが、しょうがないので今回だけは延期ということにします」となり、2回目の裁判は年が明けてから仕切り直しです。
これで年内解決のささやかな希望は絶たれました。
